本文へ移動

相談員から一言 バックナンバー

『フランス プチ見聞録』

 フランスは人口6,200万人で日本の半分、面積は日本の1.5倍でモン・サン・ミッシェルやノートルダム寺院、ヴェルサイユ宮殿など数多くの歴史遺産料理とワインにスイーツ、多くの芸術家、パリを代表とするおしゃれな街々 ・・・あらゆる面において「豊かな国」と言われています。皆様も観光で訪れた方が多いのではないでしょうか。

 私も先月フランスを訪れる機会があり、食いしん坊の私の目線で少しウォッチングしてみました。
 フランスの食事はというと、ボリュームが多いうえにバターやチーズに生クリーム、お肉など乳脂肪・動物性脂肪たっぷり。さらにワインやシードルなどのお酒を昼間から飲むという、一見、健康的な食事とは思えません。しかしフランスの朝食はパンと珈琲ぐらいで簡素なものでした。ホテルのグレードにもよりますが、クロワッサンとフランスパン、ジュース類とヨーグル ト、フルーツと珈琲類です。17世紀後半に生まれたフランスのカフェ文化は今も根付いているようで、朝早くから町の所々で焼き立てのパンと珈琲を食している方が多くみられました。

 私もその町では有名なパン屋さんで焼き立ての、クロワッサンとカフェオレ、オレンジジュースを摂りました。3~5ユーロ前後です。パンと珈琲であれば1~2ユーロぐらいでしょうか。特にジュース類は100%のもので種類も豊富でした。朝食をきちんと摂り、昼や夜は野菜も多く割とバランスが取れているように見えました。ランチは一品料理又は前菜、メイン、デザ ートがついたセットの2通りがありました。サラダも一品料理で生ハムとチーズやサーモンや魚介類、野菜のみなど種類が豊富ですが、値段は定食より高く設定されていました。またお米を料理に使っていることも驚きました。お米を湯がいてサラダに混ぜたりバターライスにしたりしています。レストランでもメインの付け合わせにサラダ、ポテト、ごはんの中からチョイスできます。またお寿司のテイクアウトのお店や日本食のお店を見かけました。日本食はカロリーや脂質が低く、非常にバランスの取れた理想的な食だとフランスでも人気のようです。スーパーには中国食材とともに日本食材も売られています。

 週に何回か開かれるマルシェでは果物や野菜が大変豊富で安く売られていましたし、お肉屋さんの車では鳥の丸焼きなども6ユーロ前後で売っていまし た。もちろん魚屋さんもあり大きなスーパーが公園の中に移動してきた感じ です。ケーキやお菓子類、チョコレートなども種類が豊富で見た目も美しく、おいしく毎日堪能しました。バランスは良い食事も一皿の量が多く、デザ ートもつい食べてしまうので、毎日食べ続けているとメタボが心配になります。実際、町ではお腹の大きな多くの人を見ました。しかし、若い女性はサラダを頼む方を多く見受けましたし、日本食が好まれたり、テレビのコマーシャルでもメタボ解消にと腹筋のマシーンやサプリメントを通販でやっていて、日本と同じように健康への関心も高いと感じました。スポーツも盛んなようで街ではよくジョギング、ウォーキングやサイクリングをしている方も多く見かけました。

 食以外では、日本でトイレを意識して行動したことはあまりありませんが フランスでは常にトイレを意識した行動をとっていたように思います。日本では駅やデパート、コンビニにもトイレがあり無料で利用できますがフランスでは駅やデパートにはほとんどありません。特に観光地はトイレが少なくトイレの場所の確認が必要で観光地図にもトイレの場所が記載されていました。カフェなどのトイレ以外はもちろん有料です。料金は一回0.3~0.5ユーロぐらいでしたが…でも有料のトイレは清掃が行き届きどこもきれいでした。特に気になったのはトイレ使用後の手洗いで日本人以外は皆石鹸をつけ、本格的な手洗いのように手首から指の間まで時間をかけてしっかり洗っていたことでした。

 もう一つは日曜日にほとんどのお店が休みだったことです。勿論スーパーマーケットも。観光地などは開けているお店もあるようでしたが、どのお店も日曜日は原則的に休みのようです。世界一働くのが嫌いな国民とも言われているようですが、夏のヴァカンスや「週35時間労働制」など、「ゆとりの ある働き方」を実践しているとのことです。知り合いも現在は週休3日(水・ 土・日)で昼休みは2時間ぐらいあり、昼食は毎日、自宅に戻って摂っているとのことでした。来年度からは週休2日になってしまうことが決まっているようですが、2か月の夏休みや春秋の1週間から2週間前後の連続休暇は続くよ うです。残業もなく定時後や休日に家族とバドミントンやマラソンを楽しみ年に何回かは大会にも出ているようです。家庭や自分の趣味などを大切にして、まさにライフワークバランスを心掛けた生活。羨ましい限りですね。
 
(文責)相談員  三澤 眞理子
TOPへ戻る