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相談員から一言 バックナンバー

『難病のある人の雇用管理・就業支援ガイドライン』

2010年 あけましておめでとうございます。
 
 前回の話題であった新型インフルエンザ感染者数も少しずつ減少傾向にあるようですが、これは子供たちなど20歳代以下の減少のせいではないかともいわれていますので、まだまだ油断はできません。これからも新年会など職場以外でも人が集まる機会が続きます。宴会の席でマスクをすることなどできませんから、少しでも体調の悪い方は参加しないことなど徹底したいものです。
 
 ところでこの新型インフルエンザでは、基礎疾患のある方のリスクが高いことが取り上げられ、優先的なワクチン接種の対象となりました。ワクチンの優先接種対象とされた疾患の中にはいわゆる難病(難治性疾患)と言われるものも少なからず入っていました。こうした難病のなかには特定疾患といって厚生労働省が行っている難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野対象疾患のうち、公費助成が必要と判断されている疾患があります。難病としては130疾患が指定され、そのうち特定疾患は、昨年(2009年)10月11の疾患が追加され、56疾患となりました。
 
 今回追加された疾患は 以下の疾患です。
家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、肥大型心筋症、拘束型心筋症、ミトコンドリア病、リンパ脈管筋腫症(LAM)、重症多形滲出性紅斑(急性期)、黄色靱帯骨化症、間脳下垂体機能障害(PRL分泌異常症、ゴナドトロピン分泌異常症、ADH分泌異常症、下垂体性TSH分泌異常症、クッシング病、先端巨大症、下垂体機能低下症)
 
 家族性高コレステロール血症ときくと自分もそうかなと思う方もおられるかもしれませんが、家族性高コレステロール血症には、片方の親から受け継いだ場合(ヘテロ約500人に1人)と両親から受け継いだ場合(ホモ100万人に1人)があり、今回の対象は後者です。
 
 さて、こうした難病、みなさまの周囲でも罹患しておられる方がおられるかもしれません。生活上さまざまな支障が生じることも少なくありませんし、仕事をする上でも配慮することが必要な場合があります。従業員の方から診断書が提出されたり、相談されたりしても、聞いたこともない病気だし、よくわからない、何を配慮すれば良いのだろうかと戸惑われたことのある方もおられるのではないでしょうか。
 
こうした時に就労支援に役立つ情報が難病情報センターというところに集まっています。
 
 難病を理解するための事業主のためのQ&Aには 難病のある人に企業が配慮すべき理由、働き続けてもらうための配慮などや事例の紹介がされています。また、すべての難病が網羅されているわけではありませんが、29の疾患に関しては就労のためのガイドラインがつくられ、どれくらいで就労が再開できるのか、職場で起こる問題は何なのかといったことが記載されています。
 
そしてリンク先の障害者職業総合センターに難病就労支援のためのマニュアルが用意されています。
 
 今年は もし難病の方に出会ったら、病気だから働けないのではと考える前にちょっとこうした情報を見て見られませんか?
 
(文責)相談員 森田 哲也
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