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相談員から一言 バックナンバー

『そろそろ新入社員がやってくる、ストレスチェックもやってくる?』

  事業者が精神的健康を把握するための検査を実施することをもりこんだ労働安全衛生法の改正案が先の臨時国会に提出され、現在の通常国会で継続審議されています。
 医師や保健師が実施する精神的健康を把握するための検査としては「疲労」「不安」「抑うつ」の3尺度9項、すなわち「ひどく疲れた」「へとへとだ」「だるい」「気がはりつめている」「不安だ」「落ち着かない」「ゆううつだ」「何をするのも面倒だ」「気分が晴れない」が取り上げられるようです。
 この検査を検討した詳細に関しては「ストレスに関連する症状・不調の確認項目の試行的実施」という報告書が独立行政法人労働安全衛生総合研究所から出されていますので、使用した場合にどのような割合で面接指導の対象者が出るかなどの参考にされるとよいでしょう。
 
 まだまだ、今の国会で法案が成立するかどうか定かではありませんが、いずれにしても労働衛生分野でメンタルヘルスケアの取り組みが促進されていくことは間違いないと思われます。
 
 そして今、気候はそろそろ暖かくなり始め、昼と夜の長さが同じ春分を迎え、寒暖の差があるもののこれからはなんとなく明るく活気を感じる季節、春眠暁を覚えずとばかり気持ちよく寝過ごしてしまいそうな季節となっていきます。

 4月に新入社員を迎える為、こうした法改正の動向を気にしながらも、雇い入れの健康診断や安全衛生の教育の準備に忙しい衛生管理に関わる方たちも多いかと思います。
 新入社員にはメンタルヘルス不全に陥ることなく、健康な状態で仕事を続けていってもらいたいものですが、夜更かしをしたり、寝過ごしたりしない規則正しい生活習慣をどれほどの人が身につけているでしょうか。
 
 前述の精神的な健康を維持するためにも、規則正しい生活が基本としてあるべきではないかと思うのですが、皆様はどのようにお考えでしょうか。
 そのためにも以前もてはやされていたトータルヘルスケアをもう一度思い出したほうがいいのではないかと私は最近特に感じています。
 そしてメンタルとフィジカルを生活出習慣の中で繋ぐ架け橋には「睡眠」ほどよいものはないと思います。
 不眠がうつ病の症状の中でとても着目しやすいものであることは「眠れてますか?睡眠キャンペーン」でもよく知られるところとなっています。
 そして、睡眠不足からさまざまな生活習慣病などのリスクが増大したり、作業におけるスピードの低下やミスの増加につながったりすることも知られています。
 推進センターで開催している神奈川産業保健交流会では平成22年には 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所 高橋正也先生に「睡眠と労働の質」という講習を行っていただきましたし、今年度はメンタルヘルス交流会で北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学 加藤憲忠先生に「睡眠教育」の講習もしていただきました。
 
 高橋先生の「睡眠と労働の質」はセンターホームページからPDFファイルで提供されています。今一度こうした資料にも目を通し、働く人にとって睡眠とはどういう意味を持つのか考えて、新入社員の教育や普段の衛生教育の中で活用してみませんか?
 
(文責)相談員  森田 哲也
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