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産業保健看護職のひろば

相談員コラム

いま取り組んでいる新型コロナウィルス感染症を今後の産業保健に生かしていこう
2020-09-30
いま取り組んでいる新型コロナウイルス感染症を
今後の産業保健に生かしていこう
                         
  産業保健相談員 富山 明子 
 
 新型コロナウイルス感染症は,わたくしたちの生活を変えてしまった。
そして、今後せまりくるであろう、第二波、第三波の感染症予防対策が、産業保健の課題であるともいえる。併せて季節性インフルエンザ予防も必要とされる。
1. 新型コロナウイルス感染症に関する予防対策は、一定程度は浸透してきていると考えられる。発症者、濃厚接触者の取り扱い方等は、職場における取り扱いルールによる試行錯誤のなかで、保健師・看護師として、厳しいと思ったり、これでよいのだと思ったり、ほかにすることがあるのではないかと悩んだりの毎日ではなかろうか、従業員にコロナの発症がないようにと祈りながら、従来の産業保健活動に取り組んでいると考える。
 
2.新型コロナウイルス感染症は、顕著な症状が出ないまま感染していることもある。そのため、保健師・看護師は、日常の感染予防の徹底と健康状態の観察及び自己管理について、適切な指導と対応を行うことが求められる。また、後遺症もみられるため、フォローアップが課題である。
3.仕事の環境変化により、日常生活の変化、対人関係の変化、ストレス解消の変化が健康上の問題として発生している。
(1)仕事の場所の変化により、仕事へのかかわり方が変わった。
   毎日職場あるいは週2~3日在宅勤務など、業種や業務により勤務形態も変化、職場の人間関係も変わった。
(2)仕事の場所の変化により、日常生活が変わった。        
   食事・活動・睡眠・飲酒・家族との関係、独りくらし、仕事以外の楽しみへの影響 等
(3)仕事の場所の変化により地域とのつながりが変わった。
4.従業員の生活が変わったことにより産業保健サービスの変化が求められている。
 特に健康診断の在り方、保健指導の在り方、健康教育の在り方、対人関係変化による関係づくりの在り方など、新型コロナウイルス感染症の機会を受けとめ、何が従業員にとって必要か、専門職として重視することは何かについて考えていきたいものです。
 そのためには今、事例として従業員の声を集めておくことが必要です。情報を集め整理して分析すれば、今後の産業保健サービスの在り方を提案できると考えます。
以下情報収集の例をいくつか示します。
1)仕事変化によるよかったこと、改善したいこと 
2)日常生活の変化によるよかったことや改善点 
3)対人関係の変化によるよかったこと、改善したいこと 
4)海外での取り扱いと日本の取り扱い方の違い 等           
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